2015.05.01 | PRODUCT

発売100周年『山水』 ~世界が愛した物語~

1915年に発売された『山水』は、今年発売100周年を迎えます。
ここでは、ニッコーが1908年に創業して、まもなく発売された『山水』の絵柄に込められたストーリーと『山水』ができるまでを紐解いていきます。

世界を魅了した“ウィローパターン” ~語り継がれる永遠の愛の物語~

山水』に描かれた絵柄は“ウィローパターン”と呼ばれるデザイン。
この絵柄は、1780年代にイギリスで人気が高まりました。発売当時は世界中で発売されたデザインで、今なお世界中に多くのコレクターがいます。
日本へは、江戸時代後期に持ち込まれたとされています。明治期に入ると、日本の様々な窯元で生産され始めます。
なお、現在もこの絵柄を国内で製造し続けているのはニッコーのみとなっています。

山水』のモチーフである“ウィローパターン”は、中国のとある富豪の娘と使用人の恋物語を元に描かれています。
階級を超えて恋に落ちた富豪の娘クーン・セと使用人チャンの2人の仲をよく思わない父は、2人の仲を裂くため結婚の話を密かに進めます。
その父が用意した婚約者との結納の席で、クーン・セとチャンは駆け落ちをします。2人は、幾度にも渡る父の追っ手をかいくぐってきました。
その情景は器の中にも、3人の人物として描かれています。しかし、最後には父の追っ手に捕まり、とうとう2人は命を絶ってしまいます。
器に描かれている2羽の鳥は、2つの若い魂が永遠の愛に結ばれて空を飛んでいる象徴的な情景です。
物語は諸説ありますが、この悲恋物語は多くの世界中の人々の心を掴んで離さす、今なお語り継がれています。

たくさんの職人の手によって生まれる『山水』

山水』のカップやポットで注目していただきたいポイントは、ハンドルや、飲み口に施された金彩のライン。
これらは全て熟練した職人によるフリーハンドで施されています。
カーブのある箇所に、真っ直ぐ同じ太さでラインを描くことは、職人だからこそできる技。
器の形を作るところから、絵柄の元となる銅版画の彫刻など、製造に関わるすべての工程で、多くの職人の手が加わっています。
細部に至るまで際立った存在感を放つ『山水』は、そのような熟練した職人によってひとつひとつ、大切に造られています。

ニッコーと硬質陶器

1908年(明治41年)、日本人の暮らしにそれまでなかった「“国産”の硬質陶器の製造」を目的として創業した、ニッコーの前身、日本硬質陶器株式会社。
山水』は創業当初から作られ続けている、その「硬質陶器」でできています。
硬質陶器の特徴である温かみのある質感は、切なくも一途な『山水』の物語を優しく表現しています。
ニッコーは、硬質陶器の開発で培った技術を様々な素材に活かし、今では世界で一番白く美しいと言われているボーンチャイナを生産しています。
右端の画像は、高級な贈答品としても人気を博していた『山水』を含む1950年代の硬質陶器のカタログ。カタログには、女優・香川京子さんを起用していました。
「日本の食卓に、丈夫で美しい洋食器を。」創業当初の思いは、今なお引き継がれています。

明治~大正~昭和~平成
これからもずっと愛される器。

創業まもない、1915年(大正4年)に生産が開始された『山水』。
その後、激動と高度成長の昭和を経て現在に至るまで、
山水』は様々な場面を彩ってまいりました。
これからも『山水』は皆様の素敵な思い出と共に…。

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