「Table Planter™(テーブルプランター)」は、サステナブルな社会における新しいライフスタイルを提案するプロダクトです。
1908年から石川県の自社工場にて、純白で美しく、丈夫なテーブルウェアを造り続けてきたNIKKOが、あらためて現代における暮らしの豊かさを見つめ直し、サステナビリティと向き合いながら「人も植物も同じ素材からできた道具で生活する」新しいライフスタイルをかたちにしました。
同時に開発した「BONEARTH®(ボナース)」は、捨てられる食器から生まれた、化粧砂としても使用できる清潔感のある肥料です。持続可能な社会の実現に向けて、まずはテーブルの上の小さな循環から環境に対する意識を醸成できるよう、老舗食器メーカーとして挑戦していきます。
HACHI
⾷卓でハーブを摘む。 花をいける。 キャンドルを灯す。資源を無駄にしない。NIKKOのBONEARTH®の取り組みを聞いた時、そんな⽣活の⾵景が⽬に浮かびました。NIKKOの⾷器がそうであるように、「Table Planter™」シリーズも質が良く控えめで、⽇々の暮らしを静かに彩る名脇役でありたいと思いました。
Table Bonsai
まるでお茶や⾷事をするように、植物の⼿⼊れや鑑賞をテーブルで愉しむスタイルをかたちにしました。テーブルならではの⼩さなスケールの盆栽を、珈琲やお茶をしながら愉しむ⽇々が始まります。100年以上テーブルの暮らしと向き合ってきたNIKKOが植物との付き合い⽅を描くなら、こんな暮らしはいかがでしょうか。
Symbiosis
キッチンや⾷卓に置かれた植物とそこで暮らす⼈々が、「同じ⽔」を共有するための水差しです。コップ⼀杯の⽔をグラスに注ぎ、適度に残された⽔を植物にも注ぐ。⼈が⼝にするものをエレガントに彩ってきたNIKKOの製品は、きっと植物にとっても品の良い存在なのだろう。そんな水差しを⽬指しました。
Reborn
化粧砂として再⽣されたボーンチャイナを破⽚のまま再焼結させ、鉢の⼀部として再⽣させた実験的な鉢をつくりました。⼀度役⽬を終えた⾷器が、植物を⽀える台座となり、植物を育てる肥料となる。新品と再⽣品が同居する器の中で育つ植物から、NIKKOの描く循環する⾷器の物語を感じてもらえれば幸いです。
Dune
BONEARTH®を⼿にしてみて素材の循環の先に⾒える⾵景について考えました。この鉢の起伏ある形状によって、粉砕し再利⽤されたボーンチャイナから⽣まれた化粧砂と、同じくボーンチャイナの鉢が緩やかな境界線で溶け合い砂丘のような景観をつくり出します。そこに⼩さな植物を添えて⾒える世界を楽しんでもらえたら嬉しいです。
Little by Little
おうち時間が増え、室内に射し込む陽の光や⽇々成⻑する植物の姿に⽬を留めることが多くなりました。BONEARTH®の取り組みは、⾷事の瞬間を彩ってきたNIKKOが、改めて循環やつらなりに⽬を向けているのだと捉えました。刻々とうつろうグラデーションをまとったプランターの中に、時間を感じてもらえたらと思います。
Voices
“ 私⾃⾝、⻑年のNIKKOファンで、いくつものカトラリーを⾃宅で愛⽤しています。三⾕さんとの出会いから始まったこのプロジェクトでは、Takramのプロダクトデザイナーと鈴⽊元さんによるデザインチームが、NIKKOの皆さんと対話を繰り返す中で探り当てた「Table Planter™」というコンセプトを提案しています。コロナ禍を経て、私たちの⽣活とライフスタイルは⼤きな転換点を迎えました。⽣活の中にワークが⼊り込み、⾃宅で過ごす時間、⾃宅で⾷事を取る回数が増え、⽣活者は⾝の回りの快適さを質の⾯から改めて⾒直すようになりました。同時に、地球環境への配慮は現代のプロダクトを考える際に必須の要件となっています。このような時代背景の中、植物と器の関係をサステナビリティやライフスタイルの切り⼝から再定義できないか。NIKKOの「BONEARTH®」というボーンチャイナ由来の再⽣肥料がヒントになりました。ダイニングテーブルやインテリアの中に、⽩く清潔でファインな質感の器と植物をしつらえる。「Table Planter™」という⾔葉が、器の新しいカテゴリーとして⽣活の中に根付くことを願っています。”
“ 急遽友人から連絡があり参加させてもらった食事会で田川欣哉さんとお会いしたことが全ての始まりでした。食事会の最後に「今日もNIKKOのカップソーサーで紅茶を飲んできましたよ」という話を聞き、田川さんが NIKKOファンであることを知りました。当社のモノづくりのこだわりをここまで理解していただいている方に 初めて出会い、驚いたことを覚えています。後日、当社の現状を相談させていただくなかで共同研究という形でこのプロジェクトが歩み始めました。プロジェクトが進んでいく中で、当社が研究していたNIKKO FINE BONE CHINAからできた肥料(後に「BONEARTH®」と命名)についても共有し、「Table Planter™」の構想が誕生しました。陶磁器事業のサーキュラー(循環)化を目的とし「BONEARTH®」と植物との新しいコミュニケーションを提案する「Table Planter™」の取り組みが、今までにない価値観を生み出してくれることを期待しています。”
“ 人は植物や動物から食として命をいただいています。我々がつくっている器はその命を豊な恵みとして戴くための道具であり文化です。本来は土に還る骨は器になりました。土も骨も尊い資源が器に変化したものと言えます。でもまだ植物の栄養として自然に還すことができます。私たちは今一度 原点に立ち帰り、このプロダクトを通して自然への感謝を暮らしの中で感じるかたちにしました。”
“ NIKKO社内では新しいセラミック技術を活かした未来へつながるチャレンジを続けてきました。そんな中この取組みでNIKKOらしさとは何かを外側から見て、知るきっかけとなりました。これからの生活シーンに目線を合わせ、細部にまでこだわりを詰めたプロダクトが未来へつながるきっかけとなってほしいと思います。”
“ 日々の暮らしの場面にテーブルプランターが同居することで、生活は彩られ、自然との共生を意識させてくれます。3社共同でプロジェクトを行う中で様々な生活のシーンを想像することができ、ワクワクしながらものづくりが出来ました。BONEARTH®とテーブルプランターが生活の一助となれば幸いです。”
“ 捨てられる食器から生まれたBONEARTH®という美しいリン酸肥料が植物の栄養となる。NIKKOサーキュラーエコノミーの1つの答えです。リン肥料は海外依存であり供給に不安が残るなか、BONEARTH®は次世代をすてきな未来へとつなげます。社会への伝えかたに悩んでいたとき、3社共同「Table Planter™」プロダクトがあり、精いっぱい取り組んでまいりました。”
Designers
GEN SUZUKI STUDIO 代表。スタジオを自宅に併設し、生活とデザインを隔てないアプローチで、Herman Miller, Casperなど国内外の企業と協業している。IDEA賞金賞、GERMAN DESIGN AWARD金賞、米クーパーヒューイット国立デザイン美術館永久収蔵など受賞多数。
製品のデザインから事業ビジョンの構築まで手がけるデザイナー。具体と抽象、ものとことを横断しながらの価値づくりを得意とする。フィジカルなものを介在した生活の領域でいかに新たな価値を生み出せるかが長年のテーマ。
ものづくり企業のこれからの一手を、ビジネス戦略と製品デザインを分断せずに思考し、具現化することを得意とするデザイナー。大手情報機器メーカーにてBtoB分野の製品デザインや新規事業立ち上げを経て、Takramに参加。
News
「Table Planter™」発売開始
NIKKOと5人のデザイナーが共同開発した「Table Planter™」の6つのプロダクトシリーズについて、NIKKO公式ECサイトとLOST AND FOUND TOKYO STOREにて発売を開始しました(一部を除く)。店内では純白のNIKKO FINE BONE CHINAでできたプロダクトを実際に手にとってご覧いただけます。最新情報は下記「NIKKO」「LOST AND FOUND」公式Instagram、ハッシュタグ(#NikkoTablePlanter)や「Takram」公式Twitter(@Takram_ja)にてご確認いただけます。
LOST AND FOUND TOKYO STORE
東京都渋谷区富ケ谷1ー15ー12
時間:11:00 〜 19:00(火曜日定休)
URL:https://lost-found-store.jp