NIKKOバックスタンプの変遷 ~企画展示 NIKKOの歩みとこれから~
2025.02.04FEATURE

NIKKOバックスタンプの変遷 ~企画展示 NIKKOの歩みとこれから~

2024年11月にニッコーが運営する東京富ヶ谷にある直営店「NIKKO SHOWROOM / STORE」およびLOST AND FOUND(ONLINE STORE、TOKYO STORE)が3周年を迎えたことを記念し、アニバーサリーイベントとして企画展示「NIKKOの歩みとこれから」を1ヶ月にわたって開催いたしました。
多くの方にお越しいただきまして心よりお礼申し上げます。是非ご感想をニッコー公式Instagramにお寄せください。

陶磁器製造の道具や石膏型展示の様子

石川県にあるニッコーの自社工場から、高品質なFINE BONE CHINAをつくるために実際に職人が使用している道具や食器の成形で使用していた石膏型を運び出し、展示いたしました。

NIKKO 116年の歴史展示の様子

LOST AND FOUND セレクター 小林和人氏のキュレーションによるNIKKO 116年の歴史展示では、NIKKOのデザインと素材開発の歩みを、社史から紐解いた歴史年表と当時の貴重なアーカイブの品々を通して紹介いたしました。

NIKKOバックスタンプの変遷

器の底面にあるバックスタンプ

また製品が作られた年代、製造方法などを伝えてくれる貴重な情報源であるNIKKOバックスタンプ(裏マーク)の変遷資料も展示されました。
今回はNIKKOバックスタンプの変遷を画像と共にご紹介いたします。

創業期のNIKKOバックスタンプ 1910年代と1930年代のNIKKOバックスタンプ

ニッコーの前身となる「林屋組」を友田安清と吉村又男らが創業したのは1906年。近代窯業の父といわれたドイツ人技師ワグネルに製陶技術を学んだ彼らは国産硬質陶器製造を目指しました。
そして、旧加賀藩主前田家など地元有力者の出資を受けて、1908年、金沢にて「日本硬質陶器株式会社」として創業しました。

NIKKOの「ダブルフェニックス」

ヨーロッパや中国で伝承されてきた伝説上の鳥「フェニックス」は、数百年に一度、火の中で転生し、永遠に生きるといわれています。
NIKKOの「ダブルフェニックス」は、窯で焼かれて生命を与えられる焼き物を重ね、NIKKOのシンボルマークとして創業時より誕生しました。

1930年代・1940年代のNIKKOバックスタンプ 1950年代のNIKKOバックスタンプ

1917年には生産量確保と燃料である石炭の調達コストの削減のために朝鮮・釜山市に新工場を設立しました。世界各国へ輸出を広げていく時代でした。
時代を反映しているバックスタンプの一つが1945年頃のものです。終戦をむかえ、占領下にあった日本で製造されたものとして当時はバックスタンプを「MADE IN OCCUPIED JAPAN」として輸出し、製造を続けていました。

1960~1990年代のNIKKOバックスタンプ 1970年代・1980年代のNIKKOバックスタンプ

日本国内では高度成長期を経て生活スタイルや食生活が大きく変化し、欧米化していく中で、NIKKOの洋食器は一般家庭にもディナーセットを広めていきました。
2世代、3世代にわたってNIKKO製品をご愛用いただいているご家庭ではこれらのバックスタンプに見覚えがある方もいっしゃるのではないでしょうか。

アーカイブデザイン向けバックスタンプ REMASTEREDラインのバックスタンプ

100周年を契機にロゴを刷新いたしました。一方でSANSUI(さんすい)シリーズMING TREE(ミングトゥリー)シリーズなど長く続くアーカイブデザイン向けにはダブルフェニックスのデザインが採用されています。
またLOST AND FOUNDで販売しているREMASTERED(リマスタード)ライン(外部サイトへ)は、NIKKOの数あるアーカイブから、現代の暮らしをより豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集(REMASTERED)したコレクションであり、こちらのバックスタンプにもダブルフェニックスのデザインが施されています。

古くからある喫茶店や老舗ホテル、レストランなどで器の裏に刻印されたスタンプを是非探してみてください。