NIKKOでは柳宗理ボーンチャイナシリーズに次ぐ新たなシリーズとして、柳宗理の『松村硬質陶器シリーズ KIKYO』を復刻し、「柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO(ききょう)」として販売開始いたしました。
柳宗理ボーンチャイナシリーズは、柳宗理がデザインした初期の『松村硬質陶器シリーズ』をNIKKO FINE BONE CHINA(ニッコーファインボーンチャイナ)で復刻したものです。
そして、この初期の『松村硬質陶器シリーズ』には白い器の他に、『KIKYO』と名付けられた絵付きの一群がありました。柳宗理が絵を加えたデザインのプロダクトは数少なく、大変貴重なものとなっています。
75年の歳月を経て、NIKKOの高度な転写技術により、そのデザインが純白のNIKKO FINE BONE CHINAに再現されています。
柳には珍しい絵付きのうつわ
『松村硬質陶器シリーズ KIKYO』が作られたのは戦後間もない1948年頃であり、当時は絵柄のある食器が一般的でした。柳宗理は同じ頃に絵柄のない『松村硬質陶器シリーズ』を制作していますが、『KIKYO』で絵付きのデザインを手掛けたのは、模様付きの陶器が一般的だった当時の海外市場の要望に応えたものとみられます。
柳宗理のものづくりと絵柄の再現
柳宗理のものづくりは、使い手の視点に立ち、手で模型をつくり、試作品をつくり、実際に使い調整を繰り返す、といった試しながら考えるデザイン手法でつくられています。
そうしたプロセスを経て完成された柳宗理のプロダクトは、使う人の手になじみやすく、長く使えるものになっています。
今回の復刻についても、何度も試作を繰り返し、硬質陶器からボーンチャイナに素材を変えることで生まれる課題を丁寧に乗り越えながら、「柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO」を完成させました。
絵柄の由来は定かではありませんが、この繊細なモチーフは柳宗理自身によって描かれたものであり、当時の釉薬に溶け込んだ表情をイングレーズ加工という技法を用いて、焼成後の仕上がりを確認しながら純白のNIKKO FINE BONE CHINAに再現しています。
一見同じような絵柄に見えますが、柳宗理が形状にあわせて微妙に変化のあるデザインをしていたという新たな発見もありました。柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYOでは3パターンの絵柄を採用し、それぞれの絵柄を忠実に反映しています。
苦労の末に叶った復刻アイテム
柳宗理は石川県の金沢美術工芸大学で50年近く教鞭を取っていました。
没後は、作品や資料を若い学生に活用して欲しいという思いで、ゆかりある金沢美術工芸大学および、金沢市に対して作品や資料を寄贈しています。この経緯から、当時の貴重な『松村硬質陶器シリーズ KIKYO』の現物は現在、金沢市の倉庫に収蔵されています。
復刻にあたっては1点しかない現物を高精細に撮影し、写真を元に形と絵柄を起こしました。約2年半の開発期間を経て、苦労の末に叶った復刻アイテムです。
商品一覧
柳宗理 ボーンチャイナシリーズ KIKYOのベースとなっているのは、柳宗理ボーンチャイナシリーズです。一緒に組み合わせて、より一層コーディネートをお楽しみいただけます。
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO 17cmプレート
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO 32cmプラター
柳宗理ボーンチャイナシリーズ コーヒーカップ&ソーサー
柳宗理ボーンチャイナシリーズ ポット
柳宗理 ステンレスカトラリー #1250 コーヒースプーン
柳宗理 ステンレスカトラリー #1250 デザートスプーン
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO 19cmボール
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO 32cmプラター
柳宗理ボーンチャイナシリーズ KIKYO 17cmプレート
常設展示
作品や空間を通して柳宗理のデザインにおける考え・姿勢を知る 常設展示室です。
〒920-0902 石川県金沢市尾張町2丁目12番1号
開所時間:9:30~17:00
休館日:毎週月曜(但し月曜が祝日のときは開所)
入所料:無料